Labo-A作品No.2 『零戦 —レイセン—』設定集・1

中川 真二(なかがわ しんじ)

 幼少の頃、兄・栄一に連れられ試作段階の零戦を見て以来、戦闘機乗りを夢見る。1945(昭和20)年、戦争長期化による搭乗員不足を補うための、簡単な訓練を受けただけで少年飛行兵として零戦隊に配属。初陣で兄の戦死を目の当たりにし仇討ちを決意するが、上官である早見大尉の命令により戦闘参加を禁止され、自分の技量の無さを含め、悩んでいる。

 

 この作品は登場人物が少ないので、キャラクターの顔はすぐに決まったのですが、服装は当時実際に着ていたものにしなくてはいけないので大変でした。上は戦争末期の制服『第三種軍装』。下は航空衣袴(飛行服)です。といっても零戦に乗っているときはほとんど顔のアップですので全身設定図は描きませんでした。航空帽と航空眼鏡(ゴーグル)は顔に合わせるため少々簡略化してあります。

 ところで、早見大尉はなぜ真二君をあんなにかばったのか? 単に子供だから? 未熟だから? いいえ、そうではありません。もちろん、すでに敗戦が決定的だったので戦後を担って欲しいという願いもありましたが、実は真二君は戦闘機乗りとしても将来的に有望な『逸材』だったのです。

 初陣で動揺しまくっている中、しかも夜間戦闘にもかかわらず、兄を撃墜した敵機をきちんと覚えている。この物語最初の空中戦シーンは、真二君の未熟さと同時に、優秀な戦闘機乗りの素質が充分あることも描いています。早見大尉は真二君の可能性を見抜いていたのです。時間をかけて育てれば自分以上の戦闘機乗りになる、ということを…。「あせるな中川。おまえの出番は必ず来る」 このセリフには2つの意味があったわけです。

 でも、真二君はそのことに気がついていません。