Labo-A作品No.2 『零戦 —レイセン—』設定集・2

早見 竜造(はやみ りゅうぞう)

 日本海軍大尉。中川真二の所属する零戦隊の総括指揮官。本来なら地上で作戦指揮を執る中佐・少佐の階級であるが、昇級拒否をしてまで実戦にこだわる歴戦の戦闘機乗り。敗戦が決定的になってもなお、玉砕や特攻など兵を粗末に扱う作戦をくり返す軍の上層部に不満を抱く一方、その状況をどうすることもできない自分に苛立ちを覚えている。

 図は『第三種軍装』。真二君の制服とはデザインが違いますが、これは士官(少尉以上の階級)用の制服です。襟の階級章を間違えていますが、気が付いたのは原稿が完成しパソコンに取り込んだ後。階級章が出てくるページすべてパソコンで修正しました。なお航空衣袴姿の設定図は描いていません。

 この作品の実質的主人公。でも早見大尉を主人公にしてしまうと、この物語は成立しなくなってしまいます。

 早見大尉のような超ベテラン・パイロットは、終戦直前には新鋭戦闘機『紫電改(育毛剤じゃないぞ!)』あたりに乗っていたのかもしれませんが、最後まで零戦で戦って(戦わされて)いた…という設定です。作品を読むと早見大尉は一見、戦争反対の立場にいるように思えるかもしれませんが、戦争を否定する側にはいません。歴戦の軍人として、当時の軍(政府)のあり方、戦争遂行の仕方に疑問・不満を抱いている…といった感じでしょうか? それらは

「いい素質の持ち主も環境が悪ければいい人生は歩めない。それは今の日本が一番いい例かもしれんが…」

のセリフに集約しました。昇級拒否は、そんな早見大尉の軍上層部への抵抗でもあります。逆に紫電改ではなく、零戦に乗っていたのは、早見大尉に対する軍上層部の圧力だったわけです。

 今日では戦争は罪悪であり、戦争を扱う漫画では戦争反対の立場で描くことが基本ですが、この作品は戦争を率先して行っていた時代が舞台ですし、あくまでも『零戦』がテーマであり戦争論を述べるものではありません。だからこそ『戦争というもの』を一番理解しているであろう早見大尉は、『脇役』なのです。でも、脇役だからこそ存在感のあるキャラクターって一番カッコイイのかもしれませんね。