↓中編での患者衣姿の志織
頭を覆っているのは三角巾。インターネットで応急処置として紹介されていた『包帯法』を参考にしました。すでに名医・文明先生に治療を受けた後なのに応急処置の包帯法でいいのかな?…と考えたのですが、『包帯ぐるぐる巻き』より結び目がアクセントになると思い、この様にしました。
図では右腕を怪我していますが右手に万年筆を持たせる必要から左腕に変えました。左利きでも良かったのですが、やはり当時はしつけが厳しく右利きが当たり前だったのではないでしょうか? 痛々しい姿ですが生々しくならないように心がけました。
でも中編31ページはちょっと可哀想すぎたかも。志織さんが明治女性離れしたプロポーションの持ち主であることが分かるシーンでもありますが…(笑)。
↓袴姿の志織
最初、飛行機実験での事故に巻き込まれるシーンで袴姿にしようとしていたのですが洋装にしたので、後編で袴を着せました。ちなみに後編で前髪の形が変わっているのは、額の傷跡を隠すためだったりします。
一生消えない傷跡の残る怪我をさせられても、慕っている相手を許し、励ましてしまう。相手の夢が叶った時、その傷跡を「私の誇り」とまで言ってのける。男の視点から見ると菩薩のように超理想的、逆に言えば男にとって都合が良すぎるその存在は、現代女性の目にどのように映るのでしょうか?共感してもらえるか?
時代錯誤と笑われるか? 女性軽視と怒られてしまうのでしょうか?(物語をきちんと読んでもらえれば、理解していただけると思いますが…)
「あ…、お茶でしたら私が…」と自然に振る舞い、幸吉も遠慮なく普通に「じゃあスミマセン、お願いします」と返せてしまう。列車の乗客から声をかけられたり、ファンクラブらしきものがあったり、怪我をした際は町の人々が病院に集まって心配してくれる。人々から『お嬢様』ではなく『お嬢さん』と呼ばれているのは、単に財閥令嬢という身分・家柄に対する形だけの礼儀ではなく、志織(と末永家一族)の人柄そのものが慕われているからなのです。
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